該非判定書の作り方7項目|記載例・テンプレート付きで解説
更新日:8月17日

輸出管理業務を担当していると、取引先や商社、フォワーダーから「該非判定書を提出してください」と依頼されることがあります。
しかし、初めて作成する担当者の方からは、
- 該非判定書に決まった様式はあるのか
- 何を記載すればよいのか
- 非該当証明書との違いは何か
- 判定根拠はどこまで書くべきか
といった質問をよく耳にします。
当社では長年にわたり輸出入通関業務を支援しており、メーカー、商社、製造業のお客様から提供される該非判定書や非該当証明書を確認する機会が数多くあります。
通関業務の現場では、「非該当という結論」そのものよりも、「なぜその結論に至ったのかを説明できること」が重要視されています。実際に、判定根拠や確認項番の記載が不足しているため、追加確認が必要になるケースも少なくありません。
本記事では、通関業務の現場で数多くの該非判定書を確認してきた経験を踏まえ、実務担当者向けに該非判定書の作成方法を7項目に整理し、記載例とともに解説します。
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該非判定書とは
該非判定書とは、輸出する貨物や技術について、
- リスト規制に該当するか
- 非該当であるか
を判定し、その結果と根拠を文書化したものです。
輸出管理においては、該非判定を実施した事実だけでなく、その判定根拠を記録・保存することも重要です。
メーカーが判定資料を提供している場合でも、輸出者がその内容を確認し、自らの責任で判定を行う必要があります。
そのため該非判定書は、単なる提出用書類ではなく、「適切な判定を実施した証跡」としての役割を担っています。
非該当証明書との違い
実務では「該非判定書」と「非該当証明書」が混同されることがあります。
該非判定書
- 該当・非該当の両方を記載できる
- 判定根拠を記載する
- 社内管理資料として利用できる
- 監査対応に活用できる
非該当証明書
- 非該当であることのみを証明する
- 顧客提出用として利用されることが多い
- 比較的簡易な書式で作成されることが多い
通関業務の中で多くの企業の運用を見ると、海外顧客向けには非該当証明書を提出し、社内管理や監査対応用としてはより詳細な該非判定書を保管しているケースが多く見られます。
該非判定書が求められる場面
実務上、該非判定書は次のような場面で求められます。
海外顧客への提出
購入前のコンプライアンス確認として提出を求められることがあります。
商社からの依頼
商社が輸出管理上の確認を行うために依頼するケースです。
フォワーダーからの確認
国際輸送の手配時に輸出管理資料として提出を求められることがあります。
海外子会社への輸出
グループ会社向けであっても輸出管理上の確認は必要です。
大学・研究機関への技術提供
技術資料や設計情報を提供する際に求められることがあります。
社内監査・輸出管理監査
輸出管理体制の有効性確認のために利用されます。
近年はサプライチェーン全体で輸出管理体制を確認する傾向が強く、非該当製品であっても判定書の提出を求められるケースが増えています。
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該非判定書の作り方【7項目】
① 製品名・型式
該非判定書では、まず対象製品を明確に記載します。
類似製品であっても性能や仕様が異なれば判定結果が変わるため、必ず型式単位で判定することが重要です。
【記載例】
製品名:デジタル圧力計
型式:ABC-1000
【実務上のポイント】
輸出通関の現場でも、型式違いによる確認依頼は珍しくありません。型式が1文字違うだけで判定結果が変わることもあるため注意が必要です。
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② 判定対象範囲
どの商品や技術を対象に判定したのかを記載します。
該非判定では本体だけでなく、付属品やソフトウェアも含めて確認することが重要です。
【記載例】
判定対象
- 本体
- 付属電源ユニット
- 専用ソフトウェア
実務では、本体は非該当であっても、付属するソフトウェアや周辺機器について確認を求められることがあります。対象範囲を明確にしておくことで、後日の問い合わせ対応もしやすくなります。
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③ 判定結果
判定結果は、該当または非該当を明確に記載します。
曖昧な表現は避け、誰が見ても判定結果が分かるようにしましょう。
【記載例】
判定結果:非該当
または
判定結果:
輸出貿易管理令別表第1 第7項に該当
顧客や物流関係者がまず確認するのが判定結果です。「非該当と思われる」といった表現ではなく、明確な結論を記載することが重要です。
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④ 判定項番
どの法令項番を確認したかを記載します。
判定根拠を追跡できるようにするためにも重要な項目です。
【記載例】
確認項番
輸出貿易管理令別表第1 第7項
または
確認項番
輸出貿易管理令別表第1 第6項
貨物等省令第○条
通関業務において判定書を確認する際、まず確認するのが判定項番です。判定項番が記載されていないと、後日内容を確認するのが難しくなります。
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⑤ 判定根拠
判定結果に至った理由を記載します。
該非判定書の中で最も重要な項目といっても過言ではありません。
【記載例】
対象製品の周波数性能は5GHz未満であり、
貨物等省令で規定される性能基準を満たさないため、
非該当と判断した。
実務上確認する該非判定書では、判定根拠の記載レベルに大きな差が見られます。
「非該当」とだけ記載されている判定書よりも、
- 製品仕様
- 法令基準
- 比較結果
が整理されている判定書の方が、顧客や物流関係者から追加説明を求められるケースが少ない傾向があります。
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⑥ 判定資料
判定に使用した資料を記載します。
後日の監査や再確認に備えて、根拠資料も整理して保管しておくことが重要です。
【記載例】
判定資料
- 製品仕様書 Ver2.1
- 製品カタログ
- 設計部門回答書
- 貨物・技術のマトリクス表
実務上では、判定結果そのものだけでなく、「どの資料を基に判定したのか」を確認されることもあります。資料名まで残しておくと説明しやすくなります。
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⑦ 作成者・承認者情報
誰が作成し、誰が承認したのかを明確に記載します。
組織として輸出管理を実施している証跡にもなります。
【記載例】
作成日:2026年7月5日
作成者:
輸出管理室 山田太郎
承認者:
輸出管理責任者 鈴木一郎
企業によっては監査時に判定書の承認プロセスまで確認されることがあります。作成者と承認者を明確にすることで、管理体制の信頼性向上にもつながります。
該非判定書の記載例
以下はシンプルな記載例です。
【記載例】
該非判定書
製品名:デジタル圧力計
型式:ABC-1000
判定対象:本体および付属電源ユニット
確認項番:輸出貿易管理令別表第1 第7項
判定結果:非該当
判定根拠:対象製品は規制対象性能値を満たしていないため。
判定資料:
- 製品仕様書 Ver2.1
- 設計資料
- 貨物・技術のマトリクス表
作成日:2026年7月5日
作成者:輸出管理室 山田太郎
承認者:輸出管理責任者 鈴木一郎
法令上、該非判定書の統一様式はありません。
上記のように必要情報を整理したうえで、自社の輸出管理規程や承認フローに合わせてフォーマットを整備すると管理しやすくなります。
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該非判定書作成時によくある失敗と注意点
古い判定書を流用する
リスト規制は定期的に改正されます。
過去に作成した判定書を流用する場合でも、最新法令で再確認することが必要です。
メーカー判定書をそのまま提出する
メーカー資料は有力な参考資料ですが、輸出者が最終責任を負います。
内容を確認せずにそのまま利用することは避けましょう。
部品やソフトウェアを見落とす
本体のみ確認して、
- ソフトウェア
- 制御装置
- 付属品
が判定対象から漏れてしまうケースがあります。
輸出対象全体を漏れなく確認することが重要です。
判定根拠が記載されていない
監査や顧客から追加説明を求められた際に対応できなくなります。
結果だけでなく、判定根拠や使用資料も保管しておきましょう。
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よくある質問(FAQ)
該非判定書に決まった様式はありますか?
法令で定められた統一様式はありません。
しかし、本記事で紹介した7項目を記載しておけば、実務上必要とされる情報は概ね網羅できます。
英文で作成する必要はありますか?
海外顧客から求められた場合は英文版を作成するケースがあります。
国内管理用であれば日本語版でも問題ありません。
メーカーの判定書だけで対応できますか?
できません。
メーカー資料は参考資料として利用できますが、輸出者自身による確認が必要です。
該非判定書はいつ更新すべきですか?
法令改正や製品仕様変更があった場合は再判定を検討する必要があります。
また、長期間更新していない判定書についても定期的な見直しをおすすめします。
該非判定業務を効率化したい方へ
該非判定書の作成では、
判定項番の確認
根拠資料の整理
判定履歴の管理
法令改正への対応
など、多くの工数が発生します。
GAIHI INSIGHT AIでは、輸出管理担当者向けに該非判定業務の効率化や管理レベル向上を支援しています。
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